片付けをするだけでは人生は変わらない。

10年以上前、カレン・キングストンという方の「ガラクタ捨てれば自分が見える」という本が、私の人生を変えました。

大袈裟だけど、ほんとうにそれくらいのインパクトでした。このあたりの話については、また後日。

その後、「断捨離」という言葉を初めて聞いたのは、東京に引っ越して来て2年くらい経った頃。以前の職場の派遣さんが寺社仏閣好きで意気投合。その派遣さんが教えてくれたのが「断捨離」でした。

なんとなく「最近はやってるよね」程度のなにげない会話でした。でも、なんとなく気になって断捨離について調べたし、本もたくさん読みました。

また私の部屋が片付きました。

その後、こんまりさんが本を出し、けっこう早い時期にこんまりさんの本は読みました。

こんまりさんの今のご活躍はみなさんご存じのとおり。こんまりさんのメソッドは本がたくさんの言語に翻訳されて紹介されていきました。アメリカではこんまりさんの番組まで放送されて。消費一辺倒だったらアメリカ国民に、なんらかの精神的な影響と新しい価値観を与えています。

ここまで『片付け』が語られ、流行になり、ひとつの哲学のようになっているのには理由があると考えています。

片付けの哲学

片付け哲学で片付けを通して自分自身と向き合い、自分自身を知り、人生が変わった人が沢山います。

その一方で、流行に乗って『人生が変わる』片付けを始めたは良いけど、人生は変わらず、悩みの多い毎日を暮らしている人もいます。

両者の違いは、片付けを手段と捉えているのか、目的と捉えているのか。

断捨離もこんまりメソッドも、片付けを通して自分自身と向き合うことを、その本の中で何度も触れています。「断捨離」という言葉や「片付け」が有名になりすぎ、その本質ではなく「片付けで人生が変わる」という「効果」のようなものばかりがクローズアップされてしまった。それで、「片付けを頑張ったけど人生が変わらない」と相変わらず悩み続ける人がいるのだと、私は考えています。

断捨離や片付けの過程で、モノのひとつひとつと向き合います。モノと向き合うとき、自分自身とも向き合うことになります。

——なぜこれを買ったのか。
これを持っていれば周囲に「仕事ができる人」と思ってもらえそうだったから。その頃の自分は自分に自信がなかった。なんとかして、自分自身を大きく見せたかった。どうして大きく見せたいの?どうして自信がないの?

——なぜこれを買ったのか。
お金持ちだと思われたかった。仕事もプライベートも充実して、あの人はキラキラしていると思われたかった。どうしてキラキラしていると思われたいの?どうして自分はキラキラしていないと感じるの?

——なぜこれが捨てられないのか。
わかりやすいブランドモノだから。このブランドロゴを見れば高いものだとわかるし、今後このレベルの買い物ができるかどうか自信がないから。これを手放したら、もう自分にはブランドモノがなくなってしまう。そもそもブランドモノって必要?それを持っていない自分に価値はないの?なぜ自分に自信がないの?

そうやって、普段見たくなくて目をそらしている現実と向き合って丁寧にひとつひとつ自分で掘り下げて自分の答えを探していくからこそ、「片付け」が人生を変えるのだと思います。

「片付け」という外側からのアプローチは、実は「自分自身と向き合う」という内側へのアプローチをするためのきっかけや手段でしかない。

それを勘違いして「片付ければ人生が変わる」と外側だけにアプローチしていては、人生は変わらないのです。